【考える力アップ実践編(基礎ステップ1)】まず、親が思いきり自分を甘やかして心の余裕を保つこと
子どもの考える力を上げる、実践的な方法について今回から度々ご紹介していきます。基礎編は乳幼児期より実践可能。早ければ早いほど、始めるには良いでしょう。
■心の余裕なくして、思考力アップなし
まず、考える力を上げるために何よりもベースとなるのは「親の心に余裕があること」。余裕なくして思考力はアップしない、と言い切れます。それは主に以下の理由から。
・子どもの話に耳を傾けられない(考える力アップの基本は会話)
・親がイライラすると子どもは話しかけにくい(会話の機会が減る)
・親が断定的な会話の仕方をしてしまう(忙しいと断定的な物言いになり過程が見えない)
・子ども自身に答えを出してもらうまで待てない(楽だからすぐに怒ったり、「それはダメ!」「こうしなさい」と結論を押し付けてしまう)
実際に子どもとじっくり会話しよう、子どもの話に耳を傾けよう、子どもが自分で答えを出すまで待とう…とすると、かなりの忍耐力がいります。大人は既に答えを知ってますし、時間がかかりますから。
本気で子どもと会話をしようとすると、心の余裕なくてはできないのです。
■間違った美談は捨てよう
親が心に余裕を保つためには、自分自身を甘やかすこと。
そこで注目したいのが、「母親は自分のことは一番後回し、何でも我慢できて当たり前」という説。「自分さえガマンすればいい」と日々自分を抑えるママは多いことでしょう。
しかしただの美談であり、全くの間違い。大切なのはこの美談を、心から否定しきれるかどうかです。
■無いものは与えられない
母親も、一人の人間です。自分を大切にできない人間は、たとえわが子であれ、配偶者であれ、他人を大切にはできません。
「いや、母親ならできるはずだ」そんなことはありません。母親である前に、1人の人間ですから。人間は自分の心が満たされないと、他人に与えることができないんです。無いものを与えることは、誰にもできませんよね?
「まず自分自身が満たされる→我が子や配偶者に余裕を持って接する」が本来の流れ。
大勢で子育てをしていた時代は、これができていたんですね。皆で子どもを見ていたから、ママも神経張り巡らせて子どもを見る必要が無いし、むしろ働き手として日中は働いていたし、子どもに世話を焼いても人手があったし、愚痴や悩みもすぐに相談できた。
現代ではこれが皆無ですから、親が自分を満たすために自分を甘やかす必要があるのです。
ましてや今は、母親がほぼ1人で子育てしている人の多い時代。子どもにとって、毎日接する唯一の大人が母親。それだけ母親の負うものは大きく、真剣に心に余裕を保つことを考えるべきなのです。
■「思いきり」が重要
「子どもが昼寝をしている間にゆっくりカフェでお茶をできた日は、いつもより子どもに優しくなって沢山遊べた」そんな経験はありませんか?
実はこれが理想の状態。これくらいの甘やかしを日常で探したいものです。思いきり自分を甘やかすコツについては、長くなったので次回に書きます。
4歳以上向け/「親が怒る→子どもが怒らせる」の悪循環
子どもが怒らせることをするから、親は怒らざるを得ない。でもそれってほんとうのでしょうか? 親が怒るから、子どもが怒らせることをすることもあるのです。
■試しに1週間怒らないでいてみた
6歳ともうすぐ2歳の兄弟のいる筆者。1〜2日に1回は怒っていました。
理由は決まっていて、長男のお菓子やテレビの食べ過ぎ見過ぎと、兄弟ゲンカで弟にケガの危険が及んだ場合。長男は中間反抗期でもあるため、あまりに行き過ぎた言動をするときは叱ることも。また、 私が疲れ果てて不必要に怒る場面もありました。
毎回同じことで怒っていると、パターンが読めて飽きてくるんですよね。2017年も同じように怒りたくないし、本来日々穏やかに生活したい性格だし、今年の目標は「のびのび伸ばす」。
そこで新年のスタートを機に、下記でも書いた通り怒らない約束を長男と結びました。
1〜2週間経って気付いたんですが、長男に怒る理由がほとんどなくなったのです。
唯一残ったのは、兄弟喧嘩で弟にケガの危険が及ぶ場合。ただこれはきょうだいがいればあることで、ゼロにはならないでしょうう。きょうだいは最初の生存競争の相手ですからね。うちの場合年齢差があり、まだまだケガの心配があるので注意します。
■「寂しい、不安」だから反抗する、イタズラする
頭では分かっていたつもりなんですが、実際に長男の変化を見て改めて「子どもは寂しくて不安だから、反抗したりイタズラする」ことが身にしみました。
試しに親が怒るべきようなこと(実際に他の人は怒るような内容)を子どもがしても、代わりに抱きしめてスキンシップを増やしてみました。他にも、次男に待っててもらって長男に絵本を読むなど優先してみたり。
するとやはり行き過ぎた言動もみるみる減っていくし、次男への当たりも以前よりは柔らかくなる。怒らないのが目標だったのですが、1月にして気付けば怒る理由がなくなっていました。
■伸ばすチャンスでもある
別記事でも書きましたが、テレビやお菓子の過ぎる場合、自律心を刺激するとうまくいきやすくなります。
「自分でできた」ことが嬉しい幼児期なので、怒るより自分で止められたときに褒めると、次も自ら止めようとします。
こちらも大方は自分でコントロールするようになりましたね。疲れたときや土日は緩むので、話し合って止めたり、特別OKするときもあります。
■3歳以下は別
ただし3歳以下は別です。まだまだケガや病気や命の危険とか、日常生活や世界のことはほぼ分からず、本能のままで生きていますからね。
理解を求めるのもムリです。少しずつ何百回と言って教えることはできますが、脳の発達上、理解を求めるには早過ぎるんです。第一、イヤイヤ期という成長の方が先ですしね。(心が不安定だと愚図りやすいというのはあるので、スキンシップはしっかりしておきましょう)
これが効果的なのは4〜5歳以降。それでも早いうちから知っておくと、悪循環を防ぎやすくなると思います。
「カレンダー」で視覚化し、理性を働かせる
長男がもうすぐ入学。生活習慣改善のために、カレンダーを利用し始めました。
約束をどれだけ守れたか視覚化するために、壁掛けカレンダーに毎日○か×をつけていきます。できたら○、できなかったら×。起床時間も書いています。他にもシールを貼るとか、好きな絵やマークを描くとかもいいですね。本人もやる気が出るようです。
で、これを私自身も実践しています。
自分の卓上カレンダーに、毎日○か×を書くんですね。お題は「怒らないこと」。お題を決めたのも、印をつけるのも長男です……
これがなかなか良いんですよ!子どもだけでなく、親も一緒にやってみると分かりますね。頭の中だけで考えてると流れてなぁなぁになってしまうけれど、視覚化すると理性が働くんです。
見事1週間クリアすると、世界が変わります。たった1週間なのに、随分自分が理性的な人間になったような気がします。
たとえば子どもを成長段階という大きな枠の中で捉えたり、隠れた気持ちを見据えるようになりましたね。単純に「子どもが悪いことをした→怒る」のではなく、逆に一切怒らず抱きしめたり、触れ合いの時間を増やしてみたり。(ここでわかったことはまた別の機会に書きます。)
新年にカレンダーの活用もオススメです。
メモリージャーならぬ「メモリーボックス」始めました。(2017)
「メモリージャー」というのが一昨年あたりから海外で流行っているようですね。毎日のハッピーな出来事をメモし、1年間瓶に溜めるもの。ググって頂くと、かなり可愛くデコった瓶が羅列しております。
このアイディアをお借りし、「メモリーボックス」を2017年は始めています。瓶の方が可愛いのですが、バラバラになるのが難点なのと、後で読み返したいので1枚ずつ重ねて入れられる木箱へ。
書くことーこれは強くお勧めしますし、私も今年は力を入れます。
人間は良い意味でも悪い意味でも忘れる生き物。たとえ深く反省しても、やがて忘れてしまうので、人間は変わりにくいと言われるのです。
また、書くことと考えることはある意味同義。書くことで考えが深まります。私もライターの仕事をして最初は「書くこと」が好きと思っていましたが、「考える」ことが好きなのだと気付きました。
ただ考え思うだけでは中途半端。思考力を上げるためには、書いて考えましょう。
「同じような毎日に/1年にしたくない‼️」そう思うからこそ、今年は書いてみましょう。
「育児、家事、仕事の両立が当たり前」は古い。ママが今すぐ「忙しさ」を捨てるべき3つの理由
現代のママは大忙し。まず、日中ほぼ1人で育児をするだけで忙しい。NHKスペシャルでご存知の方もいるでしょうが、本来人間は集団の中で育児をするようプログラムされているので「大人1人で乳幼児1人」を健全に育てるのは困難。最低でも大人2人必要です。
ところが今は、「ママほぼ1人で育児、家事、仕事をして当たり前」の時代。私も数年間はそれが当たり前と奮闘していましたが、今はこの概念を早く捨てべきだと強く感じています。その理由を3つご紹介しましょう。
■1:子どもの「子どもらしさ」を奪う
子どもが子どもらしくいられるのは、子ども時代だけ。子どもらしさの行動の中には、その時期に必要な発達要素が含まれています。何十回とコップのお茶をこぼしながら、やっとこぼさずにお茶が飲めるようになる。ジャージャー水を流して遊びながら、感覚や想像力を高めていく。
「子どもらしさの幅」も年齢によって徐々に減っていきます。乳児期には乳児期の、幼児期には幼児期の、学童期には学童期の子どもらしさを発揮させてやることが必要です。
子どもを子どもらしくいさせてやるには、親側に「心の余裕」が必要不可欠。毎日のようにお茶や味噌汁をこぼしても、手をグチャグチャにしてご飯を食べても、延々と水や砂場で遊び続けても…大らかに見守れるか?
忙しいとつい「あ〜あ、もう!」「何てことするの!」「もう止めなさい!」なんて怒って止めてしまいますよね。子どもは成長の機会を奪われ、萎縮し、意欲も薄れる。
子どもらしさを奪われた子どもは、真の大人にはなれません。
■2:「何とかなる」の基準が狂う
日々忙しいママは、「大丈夫。私さえ頑張れば何とかる」と自分に言い聞かせています。ところがこの「何とかなる」の基準があまりにも低いことに、自身を省みて気付きました。
目に見てわかる掃除・洗濯・炊事など日常的なことは何とかなるのですが、問題は精神面。1日中ピリピリイライラしたり、子どもの話に耳を傾けなかったり、ちょっとした変化に気づけなかったり、不必要に怒ったり、時には八つ当たりしたり。
よく考えれば「何とかなってない」。そのことにさえ気付きにくくなるのが問題です。
■3:「当てはめ育児」で思考停止に
忙しいと効率を求めるんです。現代社会がそうですよね。育児までも、効率重視になる。ところが子どもは、予想外の動きをするのが当たり前の生き物。
親の思う通りに子どもを動かそうとする「当てはめ育児」は、子どもが自由に考える機会を奪います。同時に、親自身も思考停止状態に。マニュアル通りに当てはめようとすれば楽ですが、これからの時代求められる思考力を育てるのとは程遠い育児になります。
■忙しさはほんとうに「心を亡くす」
「忙しさは心を亡くす」これは本当です。忙しいのは偉くもなんともありません。他にも子どもを見てくれる人がいるなら良いのですが、ほぼママ1人で育児している場合、今すぐ忙しさを捨てる勇気を持つべきです。
そうでないと必ず後悔する日がくるでしょう。子ども時代は子どもにとって一生涯の土台であり、二度と取り戻せませんからねぇ…「そんなこと言ったって仕方ないし、皆やってるし」と軽くは見ない方がいいです。
問題は現代の社会構造。しかし現状は簡単には変わらず、社会構造が変化するには10年20年単位の時間が必要です。でもそれまで待てませんよね。
一生でたった一度の子育てをどうしたいのか、世界にたった一人の我が子をどう育てるか。そのために家事、仕事、夫婦の分担の何を変え、何を捨て、何に頼り、何を新しく始めるか、今一度考えることをお勧めします。
2017年「のびのび伸びる」
あけましておめでとうございます☆
2017年の目標は決めましたか?
私は漢字一文字で表すなら「伸」。親も子どもも、あるがままを「のびのび伸ばす」ことです。
先の見えない世の中だからこそ、自分らしさをのびのび伸ばしていくこと。それしかできないし、それが1番伸びしろもあり、強く、自信ともなるでしょう。
今年は引っ越し、出産、長男の入学、次男の入園(予定)、3人育児、もしかしたらの女子育児…と、初めて尽くし。おそらく人生で1番多忙な1年が予想されます。
2人目産後、心から思ったのは「忙しいのはいけない。文字通り心を亡くす」ということ。心を亡くして育児はできません。思考停止にも繋がります。
だからこそ物理的には忙しいけれど、極力手を抜いて「のびのび」を最優先させ、新たな世界に羽ばたく子どもたちがのびのび伸びていけるような1年にしたいと思っています。
本年も宜しくお願い申し上げます。
「5〜7歳の中間反抗期」は親が2つの○○を止めるとうまくいく
2〜3歳の第1次反抗期、思春期の第2次反抗期の間に起こる「5〜7歳の中間反抗期」。小学校へ上がると経験も増え、親の言うことが全てではないと分かり、さらに反抗期がヒートアップするそうです。まさに長男も中間反抗期真っ最中です。
■中間反抗期の特色
いわゆるイヤイヤ期は、「何でもかんでもイヤイヤする時期」。イヤイヤ期に比べて今回難しいのは、知ってることも1人でできることも増え、口も知恵も回るところでしょう。
1日くらいハミガキしなくても虫歯にならないことや、TVを見過ぎてもすぐには目が悪くならないと知っている。
隠れてオヤツを食べるなど悪知恵も働くし、何をすれば親が困るかも知っていて、わざと困らせることもできる。
汚い言葉も、人を傷付ける言葉も一通り知っているので、親側の忍耐力がさらに試されます。
こう文章にしてみると、だいぶ大人に近付いていますね。コミュニケーション能力はかなり上がっています。
中間反抗期と第2次反抗期の違いは、今はまだママが好きなところを見せたり、甘えてくれるところ。これが第2次反抗期ではなくなるのですね。子どもの思春期には「中間反抗期はまだ良かったな…」と言っていることでしょう。
■親の不安VS子どもの自立心
まるで大学生の一人暮らしのように何でもやりたい放題の長男を見て、「ほっておけばTVやオヤツばかりで不健康まっしぐら。言わざるを得ない」と思い、言うべきところは言うと決めて接してきました。
怒りはするけれど必要だからであって、親側も信念あってこその対応。「感情的な怒る」より、「冷静な叱る」で対応できていたと思っていました。(とはいえたまに出る汚い言葉や傷付ける言葉の羅列には、感情的になるときがありましたが)
ある日、長男が「最近ママは怒るから嫌い」と言いました。これに対し私は、「怒られる理由は何か、考えたことがある?そこを考えないと、同じことの繰り返しになるんだよ」と答えることにしています。
しかし今回は、長男の話をじっくり聴くことにしました。
話していて気付いたのが、「子どもは『自分は1人でもできる』と思ってるのに、怒られることで『自分はできない』と言われているように感じて傷付いているらしい」ということ。怒られることで「自分は親に信用されていない」と感じるようなのです。
5歳は世の中の道理が大体わかり「自分は何でも知っていて、世界で1番すごい」と思い込みを抱えるのが特徴。それゆえ、親に口うるさく言われるとイライラして当たり散らすし、次第に自信もなくしていくのですね。
長男と話していて、中間反抗期は親の「ほっといたら不健康になる」という不安↔︎子どもの「自分を信じてほしい」という願望の戦いだと気付いたのです。
■「口うるさい」のと「怒る」のを止めた
さらに幼稚園で疲れてるのに家で怒られるのは嫌な思いもあるようなので、思い切って「口うるさく言う」のと「怒る」ことを止めました。
するとどうでしょう。自分で止められるものなんですね、テレビもおやつも。うちはテレビは1日1時間と決めてますが、10分オーバーの時はありましたが大体1時間程度で止めている。「今日はもうやめとくか」なんて独り言を言いながら。
こちらも口出しはせず、できたときにだけ「自分で止められたね」と声かけするだけで、日に日に自分で考えて動くようになりました。
思えば以前は、うるさかった。
TVを見始めれば、「何分まで見るの?」「もう時間じゃない?」「見過ぎだよ」「目が悪くなると困るんだよ」…これじゃあ余計見てやりたくなるのは、私も同じだったはず。口出しって「信頼してないサイン」なんですね。
ポイントは「信頼」です。
口うるさくされたり怒られると、「『自分はできない子』だと否定され、親に信頼されていない」と思い反抗するし、余計守りたくなくなる。ところが「親に信頼されている」と感じると、単純に嬉しいし自信がつくし、「信頼に応えよう」という気持ちが湧く。これは大人も同じでしょう。
■ダレるのが子ども。他のアイテム作戦で対応
とはいっても、特に土日なんか甘えさせてくれる人がいるとダレたりします。でも、それも子どもなので当たり前。大人だって完璧にはいかないし、完璧主義も良くない。疲れるし、つまらないし、機転も効きませんしね。
そんなときには、他のアイテム作戦。カードゲームやすごろくなどを用意すれば、テレビより食いついています。子どもは面白ければいいのです。
中間反抗期の軸は、「子どもの『自分はできる』という思いをいかに伸ばすか」にあります。その軸を間違わず、声かけをしていきたいですね。