1番強いのは、子ども時代にできる限りの質と量の愛情に触れさせておくこと
熱を出して寝込んでいる息子の額に、義父が「大丈夫か」と心配そうに手を当てた。
その光景を見ながら、
あぁ、私も小さな頃は風邪を引いたら、同じように両親や祖父母に心配してもらって、愛情をかんじたものだったなぁ
と思い出した。
ふと気付けば今は32歳で、自分が親となり、祖父母と父は亡くなった。
当時当たり前だと信じ切っていたあの光景は全然当たり前じゃなくて、「超」短期間の期間限定だった。
子どもでいられるのも、祖父母や両親が生きているのも、期間限定なのだ。
今私が体調を崩せば、母が心配してくれる。
そんな今も大切で、また30.40年も経てば、いずれ1人で苦しむことになるかもしれない。
ほんとうに1人になったとき、私は思い出に支えられるのだと思う。
だからこそ子ども時代には、惜しみのない愛情を、子どもには受けさせてあげたい。
親と祖父母の愛情は、また質が違う。
どんな家庭も嫁や婿としては色々あるだろうが、子どもが愛情を受ける機会は増やしたい。
色んな人の、色んな種類の愛情を、たっぷり味あわせてあげたい。
そうして記憶と心と体に、自分が愛されている存在だと染み込むこと。それが一生を生き抜く上で、1番強いと思うのだ。
【考える力アップ実践編(基礎ステップ2)】「手をかけることが愛情」の間違いと代償
さて前回に引き続き、親が自分を甘やかすコツについて。中途半端じゃダメなんですよね。育児は毎日ですから。私も苦労しましたが、真面目な人ほど甘やかしが足りなくて元の木阿弥です。
でも、次のような考え方が自分を甘やかすキッカケとなりました。
■誕生日パーティーにカップラーメン
あるサイトで、1970年代頃の子どもの誕生日パーティーのメニューの写真を見たんです。ビックリしました…カップラーメンが並んでいたのですね。
他にも買ってきたものばかりで、ママが手作りしたように見えるものがありません。説明書きには、「この時代は買ってきたものが一番のご褒美」という一文がありました。
なるほど、高度経済成長期らしいですね。手をかけるよりも、お金をかけることが愛情の印。そんな時代もあったのです。
一世代経ち、今では「手をかけることが愛情」の時代。皆さんもそうじゃないですか?必死で毎日何でも手作りって人、多いと思うんですよ。冷凍食品使って罪悪感、とか。
■手をかけることの代償
私は本来超不器用で家庭的なことが大の苦手なんですが、やはり子どもが生まれてからは「手をかけることが愛情」と不器用なりに頑張ってきました。
次第に目に付き始めたのが、「手をかけることの代償」です。以下は一例です。
・自炊している間、子どもは一人遊び。しかし5分と持たず、「ママ遊ぼ〜」とすぐに料理が中断されイライラ。次第に本当に時間がなくなり、「ママ今忙しいんだから」と怒ってしまう。
・一日に何十回と繰り返される「ママ見て〜」。でも火を使ってる間は危ないし、「これやったら次はあれしてその間にこれしないと」と家事の段取りを考えてると、子どもの話を聞く余裕がない。ムリして聞いても表情は固く、その雰囲気は子どもに伝わっている。
・手をかけるとやることだらけで、夜には疲れ果てる。子どもを可愛く思う余裕もなく、不意に怒ってしまう。
■「○○が愛情」は人によって違う
常々思っていることなのですが、価値観なんてすぐに変わります。地域や国によって違うものだし、同じ場所に住んでいても10年20年で180度変わる。一日で変わることもありますよ。その時代の価値観に縛られることはない、と思うんです。
大事なのは、自分なりの価値観を定めること。そうすれば老後になっても、自分の子育てに後悔はしないでしょう。
「何が愛情か?」も、人によって変わります。個人的には「子どもと遊ぶこと、話を聞くことが愛情」。
といっても出来ない時もあるので、目標も兼ねています。こう割り切ってから我が家のメニューは大分シンプルになりましたし(夕食作りまでほぼ朝の間に済ませてしまいます)、時間をお金で買う(お惣菜や食洗機の活用など)大切さも身にしみました。
■女性は感覚も大切に!
それだけでなく、女性にはオシャレやスイーツ、カフェタイムや音楽を聴くなども重要。独身時代の「新しいネイルで一日ご機嫌」「いつもよりまつ毛が上がって気分が上がる」的なことは侮れませんよ〜〜これは女子ならではですね。
女性だからこそ、女性的な感性の部分も甘やかしていきましょう。
【考える力アップ実践編(基礎ステップ1)】まず、親が思いきり自分を甘やかして心の余裕を保つこと
子どもの考える力を上げる、実践的な方法について今回から度々ご紹介していきます。基礎編は乳幼児期より実践可能。早ければ早いほど、始めるには良いでしょう。
■心の余裕なくして、思考力アップなし
まず、考える力を上げるために何よりもベースとなるのは「親の心に余裕があること」。余裕なくして思考力はアップしない、と言い切れます。それは主に以下の理由から。
・子どもの話に耳を傾けられない(考える力アップの基本は会話)
・親がイライラすると子どもは話しかけにくい(会話の機会が減る)
・親が断定的な会話の仕方をしてしまう(忙しいと断定的な物言いになり過程が見えない)
・子ども自身に答えを出してもらうまで待てない(楽だからすぐに怒ったり、「それはダメ!」「こうしなさい」と結論を押し付けてしまう)
実際に子どもとじっくり会話しよう、子どもの話に耳を傾けよう、子どもが自分で答えを出すまで待とう…とすると、かなりの忍耐力がいります。大人は既に答えを知ってますし、時間がかかりますから。
本気で子どもと会話をしようとすると、心の余裕なくてはできないのです。
■間違った美談は捨てよう
親が心に余裕を保つためには、自分自身を甘やかすこと。
そこで注目したいのが、「母親は自分のことは一番後回し、何でも我慢できて当たり前」という説。「自分さえガマンすればいい」と日々自分を抑えるママは多いことでしょう。
しかしただの美談であり、全くの間違い。大切なのはこの美談を、心から否定しきれるかどうかです。
■無いものは与えられない
母親も、一人の人間です。自分を大切にできない人間は、たとえわが子であれ、配偶者であれ、他人を大切にはできません。
「いや、母親ならできるはずだ」そんなことはありません。母親である前に、1人の人間ですから。人間は自分の心が満たされないと、他人に与えることができないんです。無いものを与えることは、誰にもできませんよね?
「まず自分自身が満たされる→我が子や配偶者に余裕を持って接する」が本来の流れ。
大勢で子育てをしていた時代は、これができていたんですね。皆で子どもを見ていたから、ママも神経張り巡らせて子どもを見る必要が無いし、むしろ働き手として日中は働いていたし、子どもに世話を焼いても人手があったし、愚痴や悩みもすぐに相談できた。
現代ではこれが皆無ですから、親が自分を満たすために自分を甘やかす必要があるのです。
ましてや今は、母親がほぼ1人で子育てしている人の多い時代。子どもにとって、毎日接する唯一の大人が母親。それだけ母親の負うものは大きく、真剣に心に余裕を保つことを考えるべきなのです。
■「思いきり」が重要
「子どもが昼寝をしている間にゆっくりカフェでお茶をできた日は、いつもより子どもに優しくなって沢山遊べた」そんな経験はありませんか?
実はこれが理想の状態。これくらいの甘やかしを日常で探したいものです。思いきり自分を甘やかすコツについては、長くなったので次回に書きます。
4歳以上向け/「親が怒る→子どもが怒らせる」の悪循環
子どもが怒らせることをするから、親は怒らざるを得ない。でもそれってほんとうのでしょうか? 親が怒るから、子どもが怒らせることをすることもあるのです。
■試しに1週間怒らないでいてみた
6歳ともうすぐ2歳の兄弟のいる筆者。1〜2日に1回は怒っていました。
理由は決まっていて、長男のお菓子やテレビの食べ過ぎ見過ぎと、兄弟ゲンカで弟にケガの危険が及んだ場合。長男は中間反抗期でもあるため、あまりに行き過ぎた言動をするときは叱ることも。また、 私が疲れ果てて不必要に怒る場面もありました。
毎回同じことで怒っていると、パターンが読めて飽きてくるんですよね。2017年も同じように怒りたくないし、本来日々穏やかに生活したい性格だし、今年の目標は「のびのび伸ばす」。
そこで新年のスタートを機に、下記でも書いた通り怒らない約束を長男と結びました。
1〜2週間経って気付いたんですが、長男に怒る理由がほとんどなくなったのです。
唯一残ったのは、兄弟喧嘩で弟にケガの危険が及ぶ場合。ただこれはきょうだいがいればあることで、ゼロにはならないでしょうう。きょうだいは最初の生存競争の相手ですからね。うちの場合年齢差があり、まだまだケガの心配があるので注意します。
■「寂しい、不安」だから反抗する、イタズラする
頭では分かっていたつもりなんですが、実際に長男の変化を見て改めて「子どもは寂しくて不安だから、反抗したりイタズラする」ことが身にしみました。
試しに親が怒るべきようなこと(実際に他の人は怒るような内容)を子どもがしても、代わりに抱きしめてスキンシップを増やしてみました。他にも、次男に待っててもらって長男に絵本を読むなど優先してみたり。
するとやはり行き過ぎた言動もみるみる減っていくし、次男への当たりも以前よりは柔らかくなる。怒らないのが目標だったのですが、1月にして気付けば怒る理由がなくなっていました。
■伸ばすチャンスでもある
別記事でも書きましたが、テレビやお菓子の過ぎる場合、自律心を刺激するとうまくいきやすくなります。
「自分でできた」ことが嬉しい幼児期なので、怒るより自分で止められたときに褒めると、次も自ら止めようとします。
こちらも大方は自分でコントロールするようになりましたね。疲れたときや土日は緩むので、話し合って止めたり、特別OKするときもあります。
■3歳以下は別
ただし3歳以下は別です。まだまだケガや病気や命の危険とか、日常生活や世界のことはほぼ分からず、本能のままで生きていますからね。
理解を求めるのもムリです。少しずつ何百回と言って教えることはできますが、脳の発達上、理解を求めるには早過ぎるんです。第一、イヤイヤ期という成長の方が先ですしね。(心が不安定だと愚図りやすいというのはあるので、スキンシップはしっかりしておきましょう)
これが効果的なのは4〜5歳以降。それでも早いうちから知っておくと、悪循環を防ぎやすくなると思います。
「カレンダー」で視覚化し、理性を働かせる
長男がもうすぐ入学。生活習慣改善のために、カレンダーを利用し始めました。
約束をどれだけ守れたか視覚化するために、壁掛けカレンダーに毎日○か×をつけていきます。できたら○、できなかったら×。起床時間も書いています。他にもシールを貼るとか、好きな絵やマークを描くとかもいいですね。本人もやる気が出るようです。
で、これを私自身も実践しています。
自分の卓上カレンダーに、毎日○か×を書くんですね。お題は「怒らないこと」。お題を決めたのも、印をつけるのも長男です……
これがなかなか良いんですよ!子どもだけでなく、親も一緒にやってみると分かりますね。頭の中だけで考えてると流れてなぁなぁになってしまうけれど、視覚化すると理性が働くんです。
見事1週間クリアすると、世界が変わります。たった1週間なのに、随分自分が理性的な人間になったような気がします。
たとえば子どもを成長段階という大きな枠の中で捉えたり、隠れた気持ちを見据えるようになりましたね。単純に「子どもが悪いことをした→怒る」のではなく、逆に一切怒らず抱きしめたり、触れ合いの時間を増やしてみたり。(ここでわかったことはまた別の機会に書きます。)
新年にカレンダーの活用もオススメです。
メモリージャーならぬ「メモリーボックス」始めました。(2017)
「メモリージャー」というのが一昨年あたりから海外で流行っているようですね。毎日のハッピーな出来事をメモし、1年間瓶に溜めるもの。ググって頂くと、かなり可愛くデコった瓶が羅列しております。
このアイディアをお借りし、「メモリーボックス」を2017年は始めています。瓶の方が可愛いのですが、バラバラになるのが難点なのと、後で読み返したいので1枚ずつ重ねて入れられる木箱へ。
書くことーこれは強くお勧めしますし、私も今年は力を入れます。
人間は良い意味でも悪い意味でも忘れる生き物。たとえ深く反省しても、やがて忘れてしまうので、人間は変わりにくいと言われるのです。
また、書くことと考えることはある意味同義。書くことで考えが深まります。私もライターの仕事をして最初は「書くこと」が好きと思っていましたが、「考える」ことが好きなのだと気付きました。
ただ考え思うだけでは中途半端。思考力を上げるためには、書いて考えましょう。
「同じような毎日に/1年にしたくない‼️」そう思うからこそ、今年は書いてみましょう。
「育児、家事、仕事の両立が当たり前」は古い。ママが今すぐ「忙しさ」を捨てるべき3つの理由
現代のママは大忙し。まず、日中ほぼ1人で育児をするだけで忙しい。NHKスペシャルでご存知の方もいるでしょうが、本来人間は集団の中で育児をするようプログラムされているので「大人1人で乳幼児1人」を健全に育てるのは困難。最低でも大人2人必要です。
ところが今は、「ママほぼ1人で育児、家事、仕事をして当たり前」の時代。私も数年間はそれが当たり前と奮闘していましたが、今はこの概念を早く捨てべきだと強く感じています。その理由を3つご紹介しましょう。
■1:子どもの「子どもらしさ」を奪う
子どもが子どもらしくいられるのは、子ども時代だけ。子どもらしさの行動の中には、その時期に必要な発達要素が含まれています。何十回とコップのお茶をこぼしながら、やっとこぼさずにお茶が飲めるようになる。ジャージャー水を流して遊びながら、感覚や想像力を高めていく。
「子どもらしさの幅」も年齢によって徐々に減っていきます。乳児期には乳児期の、幼児期には幼児期の、学童期には学童期の子どもらしさを発揮させてやることが必要です。
子どもを子どもらしくいさせてやるには、親側に「心の余裕」が必要不可欠。毎日のようにお茶や味噌汁をこぼしても、手をグチャグチャにしてご飯を食べても、延々と水や砂場で遊び続けても…大らかに見守れるか?
忙しいとつい「あ〜あ、もう!」「何てことするの!」「もう止めなさい!」なんて怒って止めてしまいますよね。子どもは成長の機会を奪われ、萎縮し、意欲も薄れる。
子どもらしさを奪われた子どもは、真の大人にはなれません。
■2:「何とかなる」の基準が狂う
日々忙しいママは、「大丈夫。私さえ頑張れば何とかる」と自分に言い聞かせています。ところがこの「何とかなる」の基準があまりにも低いことに、自身を省みて気付きました。
目に見てわかる掃除・洗濯・炊事など日常的なことは何とかなるのですが、問題は精神面。1日中ピリピリイライラしたり、子どもの話に耳を傾けなかったり、ちょっとした変化に気づけなかったり、不必要に怒ったり、時には八つ当たりしたり。
よく考えれば「何とかなってない」。そのことにさえ気付きにくくなるのが問題です。
■3:「当てはめ育児」で思考停止に
忙しいと効率を求めるんです。現代社会がそうですよね。育児までも、効率重視になる。ところが子どもは、予想外の動きをするのが当たり前の生き物。
親の思う通りに子どもを動かそうとする「当てはめ育児」は、子どもが自由に考える機会を奪います。同時に、親自身も思考停止状態に。マニュアル通りに当てはめようとすれば楽ですが、これからの時代求められる思考力を育てるのとは程遠い育児になります。
■忙しさはほんとうに「心を亡くす」
「忙しさは心を亡くす」これは本当です。忙しいのは偉くもなんともありません。他にも子どもを見てくれる人がいるなら良いのですが、ほぼママ1人で育児している場合、今すぐ忙しさを捨てる勇気を持つべきです。
そうでないと必ず後悔する日がくるでしょう。子ども時代は子どもにとって一生涯の土台であり、二度と取り戻せませんからねぇ…「そんなこと言ったって仕方ないし、皆やってるし」と軽くは見ない方がいいです。
問題は現代の社会構造。しかし現状は簡単には変わらず、社会構造が変化するには10年20年単位の時間が必要です。でもそれまで待てませんよね。
一生でたった一度の子育てをどうしたいのか、世界にたった一人の我が子をどう育てるか。そのために家事、仕事、夫婦の分担の何を変え、何を捨て、何に頼り、何を新しく始めるか、今一度考えることをお勧めします。